グッバイボーイズ「冬の夜EP」全曲解説その4〜サンセット・サンライズ(demo version feat. 甘茶茂)〜

4曲目が「サンセット・サンライズ(demo version feat. 甘茶茂)」です。
先述の通り、この曲も2014年9月に2曲入りデモ音源として発売していたテイクをあらためて収録しています。

作曲は2013年8月。最初は普通の歌メロのみで構成されたデモ曲だったのですが、Aメロにあたる部分がいまいちしっくり来ず、そんな当時僕がRobert Glasperなどの所謂ネオソウルを聴いていて、「自分の音楽にもラップを取り入れてみたい」と思いつき、ラップを取り入れることで完成したのがこの曲なのでした。全然ネオソウルっぽくはありませんが(僕の技量不足)、グッバイボーイズにラップを取り入れたのはこの曲が初(そして今のところ唯一)だし、後述するようにライブで盛り上がる曲にできたので、大きな一歩だと自分では思っています。さらにいえば、この曲を作った成功体験とモチベーションが、のちに結成するラップ・ユニット「8ird watching(バード・ウォッチングと読む。2018年結成)」に繋がっているのでした。

さてそのラップについては、自分では全くリリックを書ける気もラップできる気もしなかったので、知り合いのラッパー(と言い切ってしまうにはあまりに多才な男なのですが)、甘茶茂(あまちゃしげると読む。@keitakatsumata)にコラボをオファーしてみました。甘茶へのコラボ打診はこれが初だったのですが、ありがたいことに即オッケーをもらい、こちらからとりあえずの歌詞とオケを送ったところ、ものの数日で(記録によるとオファーの3日後)ラップの音源が送られて来て、あまりの仕事の早さとそのクオリティに驚愕した覚えががあります。それをそのまま本編に採用しています。いやー、天才っているんですね。ちなみにそれが2014年の2月頃だったみたいです。

ちなみに歌詞のテーマは「ノスタルジー」だったと思います。ラップ部分の歌詞に注目してもらうとそれがしっかり反映されているのがお判りいただけるかと思います。
さらにちなみにですが、この曲の没歌詞(ラップに差し替える前のAメロ部分の歌詞)は、その後「冬の夜」で再利用され、陽の目を見ることになりました。サンライズですね。

オケについては、リズムとベースはそれぞれPro Toolsに付属のBoomとVacuumというソフトシンセです。
その他、遠方に住むロブ君からギターのテイクを送ってもらったり、自分で鍵盤ハーモニカ、Rhodes、YAMAHA P-80を重ねています。

ライブでこの曲を披露した際には、甘茶茂ご本人にラッパーとして登場してもらう他、さらに仙台の珍味こと「ゆ」、ennの店長・ぬまったーにもラップで参加してもらったり、音昏や平山真衣さんとコラボしたりと、大勢で賑やかにお送りして盛り上がった楽しい思い出があります。またやりたいです。

また、この曲も「灯り」同様「demo version」ですので、バンドバージョンもいつか録りたいと思っています。ラップもゲスト交えたりしてより豪華にできたらいいな。

それからこの曲については、のちにグッバイボーイズの曲としては初となるセルフカヴァーヴァージョンを作りました。8ird watchingの初音源「Finding Friends」に収録しています。こちらについても別途解説を書きたいと思っています。

ネオソウルについてはもっと勉強してもう少しそれっぽい曲を書きたいなあ、とも思っています。学ぶにしてもとっかかりすらなくて、実現はいつになるやら、ですが。それとは別に、この曲のように「ラップ入りポップス」も、もっと作ってみたいです。

それでは。