グッバイボーイズ「冬の夜EP」全曲解説その2〜心がむずかる夜には〜

2曲目はこの音源で初披露となる曲の一つ、「心がむずかる夜には」です。
この曲は3分少々のこじんまりとした作品なのですが、自分の中でグッと来る要素をうまく積み込めて、そういった点で気に入っている作品です。

リズムはStereo Venusの「mondo blu」という曲からbossa nova調のドラムを拝借してループにしています。リズム隊の二人が参加していないので、僕とロブ君のふたりグッバイボーイズによる作品ということになります。バンドメンバーが揃う機会があれば改めてアレンジして録音したいなあ、とも思っています。

ギターは「冬の夜」と同様ロブ君に我が家に来てもらった際(今年つまり2018年の夏)に録りました。ギターからDI(Avalon Design U5。根岸のものだけど借りパク状態で我が家にある…。)を通じてクリーンで録音し、Pro Tools上でAmplitubeを使って音作りしています。録音後、その音作りの面からリテイクがあって、一部ロブ君が宅録したものと差し替えたりしています。なので厳密に言うとこの曲のクレジットは「guitar recorded by ロブ & ボララス」なのですが、歌詞カードではそこまで細かく表現できていません。ここで補足しておきます。
鍵盤はPianoteqのピアノの他、Rhodes Stage Mark 1(イントロ等)、Analog Labのシンセリフといったものを入れています。

歌詞は小鳥がエゴノキの実を啄むシーンから始まりますが、これは実際に我が家の庭でヤマガラという野鳥が毎年秋に取っている行動から来ています。ヤマガラの習性として冬に向けて木の実などの餌を溜め込むというものがあり、その後それを本当に食べているかどうかはわからないのですが、とにかくその様子が健気でかわいく、また自分自身のなかなか前に進めない現状と照らして「まあ、のんびりやろうよ」とも思ったもので、それを歌詞にしました。ただ、「栗色の羽根」というのはヤマガラのことではなくフィクションで、語呂だけで選んでしまいました。
残りの歌詞は、寝室で臥せっている際に励ましてくれたり支えてくれた色んな人たちの事をセンチメンタルに歌っています。僕の歌詞はだいたい過剰にセンチメンタルですが。

なお、タイトルにもある「むずかる」という単語について、Weblio辞書によると、

『赤ちゃんなどについて、機嫌が悪くなったり、ぐずったりすること。』

とのことです。なので赤ちゃん用語なんですよね。まあ、自分はいい大人ですが、それでも心が赤ちゃんみたいにコントロールのできない状態があって、そのことを指している、と思っていただければ幸いです。

ちなみに「むずがる」というのは、同じくWeblio辞書によれば、

『憤る(むずかる・むづかる)の誤った言い方』

とのことです。


ヤマガラエゴノキの実を啄む様子。我が家の庭にて。

それでは。