『TOP GUN: MAVERICK』について語る:ニワカが調べた小ネタ集その2(ミリタリー編その2)

ミリタリー編その2、今回は作品の舞台になっている地名や部隊についてです。

  • マーヴェリックが教官として訪れる「ファイタータウン」とは?

まず、前作では「ミラマー」という地名とともに紹介されていた「トップガン」=海軍戦闘兵器学校(NFWS)ですが、下記のとおりその所在地は現在はネヴァダ州ファロンにあるようです。

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The United States Navy Strike Fighter Tactics Instructor program (SFTI program), more popularly known as TOPGUN, teaches fighter and strike tactics and techniques to selected naval aviators and naval flight officers, who return to their operating units as surrogate instructors. It began as the United States Navy Fighter Weapons School, established on 3 March 1969, at the former Naval Air Station Miramar in San Diego, California.[1][2] In 1996, the school was merged into the Naval Strike and Air Warfare Center at Naval Air Station FallonNevada.[3]

今作でのマーヴェリックは、ダークスターでの飛行試験後にエド・ハリス演じるケイン少将から「ノースアイランド行き」を指示され、お前はトップガンに戻るのだ(You've been call back to Top Gun)と言い渡されるのですが、上記のとおりトップガン自体はノースアイランド(後述する海軍航空基地の所在地)には既に存在しません。

マーヴェリックを教官として紹介するベイツ少将も、訓練所でルースターらパイロット達を前に「特殊戦訓練へようこそ(※吹替版)」とは言いますが「トップガンへようこそ」とか「おかえり」とは言いません。

かつてトップガンが存在したミラマー海軍基地自体は、現在はアメリ海兵隊の基地になっているようです。

en.wikipedia.org

Marine Corps Air Station Miramar (MCAS Miramar) (IATANKXICAOKNKXFAA LIDNKX), formerly Naval Auxiliary Air Station (NAAS) Miramar and Naval Air Station (NAS) Miramar, is a United States Marine Corps installation that is home to the 3rd Marine Aircraft Wing, which is the aviation element of the 1st Marine Expeditionary Force. It is located in MiramarSan Diego, California, about 14 miles (23 km) north of Downtown San Diego.

(中略)

The air station is the former location of Pacific Fleet fighter and Airborne Early Warning and Control aircraft (F-4 Phantom IIF-14 TomcatE-2 Hawkeye) and is best known as the former location of the United States Navy Fighter Weapons School (NFWS), its TOPGUN training program and the movie of the same name. In 1996, NFWS was relocated to Naval Air Station Fallon in western Nevada, 60 miles east of Reno and merged into the Naval Strike and Air Warfare Center (NSAWC). During the heyday of TOPGUN at NAS Miramar, the station was nicknamed "Fightertown USA".

同地には、今でもFightertown USAというニックネームがある(上記引用参照)ようで、劇中でもこの名前が字幕で(「サンディエゴ・ファイタータウン」)表示されたり、F/A-18E/Fがずらっと駐機している近くの格納庫の壁に「Fightertown U.S.A」の文字があったりします(あとで前作を見返したら前作の時点でもありました)。

TOP GUN 2 MAVERICK 2022 BEHIND THE SCENES NEW TRAILER 4K ULTRA HD TOM CRUISE より。

劇中の「ファイタータウン」の訓練所では、トップガンの飛行隊パッチが椅子の背もたれなどいたるところに見られ、壁にはトップガンの過去の卒業生たちの写真が飾られているなど、かつてのトップガンの歴史が感じられる場所として演出されています。実際のミラマー基地の現在の様子はどうなんでしょうね。

説明が長くなりましたが、本作には現存する組織としてのトップガンは登場せず、かつてトップガンだった場所で、トップガンの卒業生たちが訓練する、というお話のようです。

  • 「ノースアイランド」とは?

ケイン少将から言い渡される「ノースアイランド行き」の「ノースアイランド」とは、海軍航空基地の所在地だそうです。直訳すると「北側の島」ですが、現在は島ではないそうです(下記引用参照)。

ja.wikipedia.org

「ノースアイランド」の地名は、立地から名付けられた名前が元になっている。現在では地続きであるが、19世紀にはスペイン湾によって南北に分かれていたため、北側がノースコロナドアイランド、南側がサウスコロナドと名付けられていたのである(スペイン湾が砂で埋まり、地続きになったのは第二次世界大戦中の1945年のことである)。

  • 作戦が実施される国・地域はどこ?

トップガン』は前作においても今作においても、「敵」がどこの国なのかを明示していません。前作のパンフレットではその趣旨が以下のように明記されており、本作もそれを引き継いでいると思われます。

前作『トップガン』パンフレット「PRODUCTION NOTE」より

しかしながら、『トップガン マーヴェリック』では、巡航ミサイル・トマホークが攻撃する敵航空基地を表示した画面上に、なんとなく緯度と経度っぽいものが表示されている場面がいくつかあります。桁が多くて全部は記憶できませんが、だいたい「48°S / 123°W」のように見えます。

仮にこれが南緯48度・西経123度のことだとすると、地図上ではニュージーランド南米大陸の間くらいの、何も無い太平洋上になるようです。

ベイツ少将からは、攻撃の目標は「NATOの条約(※吹替では「核拡散防止条約」になっている)に違反したウラン濃縮プラント」であり、「同盟国の危機なので国防省が破壊を決定した」と説明されるので、所在地はNATO加盟国の隣接地域か…と思われるのですが、やはり敵は特定の国や地域を設定していないということなのかもしれません。

以上、ミリタリー編その2(というか地名編)、でした。