『TOP GUN: MAVERICK』について語る:プロローグ(俺とトップガン)

1986年公開の前作『TOP GUN』から実に36年を経て公開された続編『TOP GUN: MAVERICK』。公開延期を何度も経たこともあって、劇場で予告編を観る回数はかなりありました。どうやらその中では「F/A-18ホーネットが主役らしい(ホーネットもそこそこ古い機体じゃなかったっけ?F-35とかは使わないのか?)」「P-51ムスタングが登場する!(博物館かな?まさか飛ばないよね?)」「なぞの試験機も登場するっぽい」「一瞬F-14飛んでなかった?」と、期待が高まる一方で、テレビ放映で何度もつまみ観た前作の印象から「面白いけど、あれはあくまで80年代にフィットした映画」「現代の軍事情勢をふまえて説得力のある脚本になっているのだろうか?」という懸念があったのも正直なところです。

ちなみに自分のミリタリー知識は『アドバンスド大戦略』と田宮のカタログ、それにガルパンで得た程度のニワカです。現用の航空機についてはほとんど無知です。

そんな自分ですが、新作を観るに当たってまず前作をきちんと(字幕版・ノーカットで)観てみたところ、

  • 主人公=コールサイン"マーヴェリック"ことピート・ミッチェルが無茶な操縦をする理由=戦闘機乗りであった父親(デューク)の戦死の謎を巡る顛末
  • マーヴェリックが操縦するF-14RIO(レーダー迎撃士官)であった盟友"グース"とその家族との関係
  • エリート集団「トップガン」でのライバル同士のせめぎ合い(特にプライドが高く高圧的な"アイスマン"との確執と和解)

これらが見事に描かれていて、数々の名曲(これまた素晴らしい)に彩られたサウンドトラックとも相まって、「大きくなったら、俺もトムキャットになる!!!」と思わずにいられない作品であることにあらためて気付きました。

そのときのツイートがこれ。

当時のパンフも今更ゲットして読みましたが、アメリカ海軍が全面的に制作に協力し、当時最新鋭の機体であったF-14の内部にまでカメラの設置を許して撮影された映像は、今観ても迫力満点。むしろ主役機であるF-14はその後改修を経ながらも2006年には米海軍から全機が退役済み(冷戦終結後、高性能ゆえのメンテナンス性の悪さや高価な維持費、最も得意とする空対空戦闘の減少などにより後継機=F/A-18ホーネットに置き換えられていったとのこと)*1なので、F-14をこれほどまでに美しく逞しく捉えた本作の映像は、現代においてなおその希少性を増しているということにも気付きました。

というわけで公開日初日にIMAX字幕版を鑑賞。その後のツイートがこれです。

感想はとにかくこれに尽きる感じですが、長くなったので別の投稿で2回目以降の鑑賞や入手した資料からの小ネタ集等をご紹介したいと思います。

*1:アメリカからF-14を輸入した唯一の国であるイランではいまだに(2022年現在)整備され現役で運用されているとのこと