8ird watching「Finding Friends」全曲解説その4〜すっとこどっこいSHOW(feat. サーセン a.k.a. こやまさとし)〜

全曲紹介の最後、4曲目は「すっとこどっこいSHOW(feat. サーセン a.k.a. こやまさとし)」です。

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以下、ボララスside。

M−1でも登場してくれたサーセンをfeaturingしたこのトラック。もともとDuke Pearsonの「Phantom」をサンプリングして、それにサンプルを重ねてオケを作っていたところに、サーセンM-1のレコーディングのために我が家を訪れてくれたので、併せて録音させてもらったのがこの曲の殆どを占める語りの部分です。

以前、ねぎしナイトのセッションタイムでサーセンが「おおきなかぶ」の絵本を朗読してくれたことがありました。ラップ・ミュージックを制作する上で、そういうラップでも歌でも無い「語り」を採り入れるのもいいかな、と考えてオファーしたものです。サーセンは何も資料(絵本など)の無いところから暗唱でこの語りを紡いでくださり、「さすが本職」と唸らされたものです。いい声ですし。「うんとこしょ、どっこいしょ」の箇所は何も指示出ししていないのですがいい感じにリズムに乗せてくれて、おかげでdopeなループ感を出すことができました。サーセン、ありがとうございます!

この語り入りのバージョンを甘茶に送ったところ、いい具合に導入&締めとなるラップを送り返してくれました。これがまたおおきなかぶのエッセンスを踏まえた良いリリックなんですよね…ちょっと前に絵本の話題(佐藤忠良作画版の「かぶが抜けない理由」)がTwitter等でバズってたことも踏襲しています。さすが。

トラックにはさらにARP Odysseyでシンセ・ベースを、それからグッバイボーイズ・ロブくんのエレキギターを追加し、ファンキーな雰囲気が作れました。ロブくんもありがとう!

以上、ボララスsideでした。

以下、甘茶side。

ボララスから送られてきた音源のうち、マッポのサイレン音とか入って(当時)、ひときわ悪そうだったこの曲のトラック。Zeebra the ill skill 的なフロウを気取っていたら、突然、こやま the 保育 skill の牧歌的な語りが入ったヴァージョンが送り返されてきました(サイレン音も消えた)。

「これは……、強烈な個性に全部持ってかれる、ラップ・ミュージックとして成立しない!」と慌てたぼくは、ここでバイブルであるスチャダラパーの名盤『5th wheel to the coach』を思い出し、その収録曲「ノーベルやんちゃDE賞」の構成を参考にしつつ、語りをラップでサンドウィッチすることにしたのでした。

そんなことを考えている矢先に、高畑勲氏の訃報が聞こえてきたので、現代の家具屋姫・大塚久美子氏のことを想いながら、リリックをつづりました。

ぼくが通っていた高校の近くにある美術館に、今回の事件の主犯である「佐藤忠良」氏の記念館があります。ヤホーで調べましたが、「勲章をあらかじめ辞退」したという点で、最初はぬけぬけと受け取ったジョン・レノンよりもロックなので、たしかに主犯ではありますが、個人的には無罪じゃないかなと。

最後は、ビスコのCMのフレーズを連呼して終わります。ほらね、誰だって、ラップだって、うんとこどっこいしょってかけ声ひとつで、なんでもできちゃうはずなんだ。

以上、甘茶sideでした。そういえば、「マッポのサイレン音」は、リズムに使ったサンプルとセットのサンプルだったのですが、色付けが濃すぎるかなと思って確かに抜きました。

 

さて、これで8ird watchingの初音源「Finding Friends」の全曲紹介は終わりました。次の音源制作がいつになるかは未定ですが、音源のタイトル通り新たな友達も見つけていきながら、面白いものを作っていけたらと思っています。コラボ相手、随時募集いたします!

それでは。